研究


光で計算する ー 光コンピューティング ー

光の物理現象と計算モデルをかみ合わせることで、光による計算、すなわち光コンピューティングが実現されます。
光の並列性、高帯域性、多重性などの性質に加え、DNAや量子ドットなど情報操作に優れた材料やエレクトロニクスとの組み合わせにより、その可能性は大きく広がります。特に、特定の機能に特化させることで、従来の汎用コンピュータよりも速度やエネルギー効率などにおいて格段に優れた性能を発揮し、現代社会にあふれる膨大なコンピューティング需要に応えることが期待されます。

私たちの研究室では、時系列信号を高効率に処理する光リザバーコンピューティングや、組合せ最適化問題に特化した高速な光イジングマシンのシステム化を進めています。また、DNAの自律的結合特性を利用した光DNAコンピューティングの研究にも取り組んでいます。


光で観測する ー 光イメージング/センシング ー 

霧の中で生じる光の散乱や暗い照明環境での雑音など、結像レンズとイメージセンサのみでは撮影が困難な状況でも、対象物の観察や検出が必要な場面は多くあります。また、光の位相や偏光は、物質や物体に関するさまざまな情報を与えてくれますが、そもそも目やイメージセンサでは見えません。
これに対し、光学系の工夫による符号化法やデータを効果的に扱うための数理的手法を駆使した計算イメージングが注目されています。さまざまな不可視対象の可視化は、医療の高度化や生産効率化など生活環境の向上につながります。

私たちの研究室では、単一画素検出器を用いた高精度の物体識別や、光の振幅・位相・偏光の空間分布を同時に捉えるマルチモーダルイメージングのシステム構築に取り組んでいます。また、サイバーフィジカルシステムを用いた新しいイメージング技術も開拓中です。


光で接続する ー 光インタフェース ー 

光は見えることが大きな特徴で、ヒトはディスプレイに表示された情報を特に意識することなく受け取っています。
また、光はさまざまな物質と多様な相互作用をするため、物質を使って光を操作したり、物質の情報を光の情報として取り出すこともできます。ヒトやモノが存在するフィジカル空間と、情報を扱うサイバー空間の接続において、光は極めて優れた特性を持っているわけです。このような光インタフェース技術の進化は、人々の生きがいを増強したり、安全安心な社会の実現に貢献することが期待されます。

私たちの研究室では、物質との有用な相互作用を引き出す計算機合成ホログラフィに基づくベクトル光波場の生成と応用、ナノスケール光現象を利用した物理ベースセキュリティ、高齢者の活動を支援する視覚インタフェースなど、さまざまな観点から研究を推進しています。

学生募集中

情報フォトニクス講座では、博士前期・後期課程の学生を、出身大学や専門分野を問わず積極的に受け入れています。 募集要項をご覧のうえ、気軽にお問い合わせください。